お子さまの「歯ならび」と「お口の機能」を一緒に育てる ― プレオルソとお口のトレーニングについて ―

お子さまの「歯ならび」と「お口の機能」を一緒に育てる

― プレオルソとお口のトレーニングについて ―

あづみのうえはらおとなこども歯科医院 院長の上原龍一です。「歯がガタガタしてきた」「お口をポカンと開けていることが多い」——最近、このようなご相談をいただくことが増えています。

現代の子どもたちは、やわらかい食べ物や長時間のスマホ・ゲームなどの影響で、よく噛まない・口が開きがち・舌が下がっているといった「お口の機能の発達」が十分ではない場合が少なくありません。

これを専門用語で「口腔機能発達不全症」と言い、単に「歯ならびの問題」ではなく、噛む・飲み込む・話す・呼吸するといった、”お口の働き全体”の問題として考えていきます。

口腔機能発達不全症とは?

口腔機能発達不全症は、先天的な重い病気がないのに、以下のような状態が続いているお子さまに使われる診断名です。

・いつも口がポカンと開いている

・よく噛まずに丸のみしてしまう

・食べこぼしが多い

・舌が下の方や前の方に出ている

・鼻でなく口で呼吸している

この状態がそのまま大人になると、以下のような影響が出ると考えられています。

・むし歯・歯周病・口臭のリスクが高くなる

・歯ならびやかみ合わせがさらに悪化しやすい

・頭痛・肩こり・いびき・睡眠の質の低下

・発音や見た目にコンプレックスを抱きやすい

だからこそ、「小さいうちに機能から整えてあげること」がとても大切です。

当院で行う「機能の検査」:舌の力・くちびるの力をチェック

当院では、歯ならびだけでなく、舌の力(舌圧)とくちびるを閉じる力(口唇閉鎖力)も確認しています。

舌圧(ぜつあつ)

舌で上あごを押す力のことです。飲み込むとき、食べ物を押しつぶすとき、言葉をはっきり発音するときに大切な力です。細いセンサー(舌圧計)を舌と上あごの間にはさんで、「上にグッと押してね」とお願いし、最大の力を測ります。痛みはなく、ゲーム感覚でできる検査です。

口唇閉鎖力(こうしんへいさりょく)

「くちびるをどれくらいしっかり閉じられるか」を測る検査です。専用のボタン(りっぷるくん)をくわえてもらい、外から軽く引っ張りながら、どのくらいの力で耐えられるかを調べます。

これらの検査により、お子さまのお口の”筋力のスタートライン”と、どこを重点的にトレーニングしたらよいかを、数字として一緒に確認することができます。

お口の筋トレ(MFT):基本トレーニングがゴールです

検査の結果をふまえ、当院ではMFT(口腔筋機能療法)という「お口の筋トレ」を行っています。目指したい最終ゴールはとてもシンプルで、舌は上あごの正しい位置(スポット)に、くちびるは軽く閉じて、鼻で呼吸している状態が”ふだんの顔”になること。そのために、例えば次のようなトレーニングを行います。

・スポットトレーニング:舌の先を「ベロのおやすみ場所(スポット)」に置く練習

・ポッピング:舌を上あごに吸い付けて「ポン!」と音を出すことで、舌を持ち上げる力を育てる

・ブクブクうがい:ほっぺ・くちびる・舌を使って、口の中で水をコントロールする練習

・あいうべ体操:口を大きく「あ」「い」「う」「べ」と動かし、口周りの筋肉と舌をしっかり動かす体操

・舌を上げたまま水を飲む練習:舌を上あごにつけたままゴックンする、正しい飲み込み方の練習

こうした基本トレーニングを続けることで、「何も意識しなくても、よいお口の状態が保てる」ことを目指します。

プレオルソとは?

当院では、必要に応じて「プレオルソ」というマウスピース型の矯正装置を使うことがあります。対象は主に乳歯列〜混合歯列期(3〜10歳頃)のお子さまで、やわらかい素材の既成マウスピースを日中の決まった時間+寝ている間にお口の中に入れて使います。

プレオルソは以下のような工夫がされています。

・舌を自然に上あご側に誘導する形

・くちびるを閉じやすくし、口呼吸から鼻呼吸へうながす構造

・顎の成長を助け、歯が並びやすいスペースをつくる

「歯を無理やり動かす装置」というより、「MFTで目指している良いお口の状態を、装置でサポートしてくれる道具」と考えていただくと分かりやすいと思います。

その結果、将来本格的なワイヤー矯正(二期治療)が必要になった場合でも、以下のメリットが期待できます。

・抜歯の可能性を減らせる

・治療期間を短くできる

・後戻りしにくい

プレオルソノートブックで「おうち時間」もサポート

小児の治療でいちばん大切なのは、「続けること」です。当院では、プレオルソを始めるお子さまに「プレオルソノートブック」という専用のノートをお渡ししています。

このノートは、当院でも最近あらたに導入したツールです。実際に使い始めてみると、「子供がスタンプを押すために楽しみながら続けている!」「親も内容を理解しやすい!」と、とても好評です。

ノートには以下の内容がイラストつきで分かりやすく書かれており、お子さまとご家族が一緒に読みながら学べるようになっています。

・プレオルソって何をする装置?

・どうやってつけるの?

・どうしてお口のトレーニングが大事なの?

また、装着できた日にシールやスタンプを押したり、トレーニングの回数をチェックしたりと、「がんばり」を見える形で記録できるので、お子さまのモチベーションUPにもつながります。

まずはお気軽にご相談ください

「本当にこの子に矯正が必要なのか心配」「お口ポカンやいびきが気になる」「歯ならびだけでなく将来のことも考えてあげたい」——そんな時は、早めにご相談いただくことで、装置だけに頼らない”機能からのアプローチ”が選べる場合もあります。

当院では以下を組み合わせて、お子さま一人ひとりに合ったプランをご提案いたします。

・口腔機能の評価(舌圧・口唇閉鎖力)

・MFT(お口のトレーニング)

・プレオルソ治療

・プレオルソノートブックによるおうちサポート

気になることがあれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。

あづみのうえはらおとなこども歯科医院 院長

上原 龍一

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