根管治療における保険診療と自費診療の違いについて

根管治療における保険診療と自費診療の違いについて

根管治療に関するイメージ

こんにちは。あづみのうえはらおとなこども歯科医院の院長、上原龍一です。本日は、患者様からよく質問を受ける「根管治療における保険診療と自費診療の違い」についてお話ししたいと思います。

目次

根管治療とは、虫歯が歯の神経まで進行した場合に、その感染した神経や組織を取り除き、根管を清掃・消毒して密閉する治療です。この治療が適切に行われることで、歯を抜かずに済む可能性が高まります。しかし、根管治療には「保険診療」と「自費診療」という2つの選択肢があり、それぞれ治療に使用される材料や手法、費用に違いがあります。

1. 保険診療の根管治療

保険診療の場合、厚生労働省が定める基準に従って治療が行われます。これにより、治療費は全国一律で、患者様の自己負担は比較的低いのが特徴です。保険診療での根管治療では、以下のような特徴があります。

使用される材料

保険診療では、根管の中を詰める際に使用する材料として「ガッタパーチャ」と呼ばれるゴム状の材料が一般的です。また、詰め物や被せ物の材料としては、プラスチックや金属が使用されます。これらの材料は保険でカバーされるため、治療費を抑えることができますが、耐久性や見た目の美しさには限界があることもあります。

治療の進行

保険診療では、治療にかける時間や回数も一定の範囲内で行われます。そのため、必要最低限の処置が優先されることが多いです。また、治療に使用する機器や技術も、最新のものではない場合があります。

費用

保険診療の最大のメリットは費用面です。治療費は患者様の自己負担が3割程度となるため、特に複数回にわたる治療でも、経済的な負担が少なく済みます。標準的な根管治療であれば、数千円から1万円程度で済むことが多いです。

2. 自費診療の根管治療

一方、自費診療では、保険の制約を受けずに、より高度な技術や材料を使用することが可能です。自費診療の根管治療は、次のような特徴があります。

使用される材料

自費診療では、より精密な治療が可能になるよう、高品質な材料が使用されます。たとえば、根管内の感染部をより確実に密封するためにの特殊な材料や最新の詰め物材料が使われることがあります。また、被せ物にはセラミックやジルコニアといった見た目が美しく、かつ耐久性に優れた素材を選ぶことができます。これにより、治療後の歯の見た目が自然で、長持ちする傾向があります。

治療の進行

自費診療では、治療にかける時間や使用する機器、技術にも大きな違いがあります。例えば、歯科用顕微鏡を用いた「マイクロスコープ治療」によって、肉眼では確認できない細かな部分まで正確に治療することが可能です。また、最新のレーザー技術や超音波機器を使用することで、根管内の感染をより効率的に除去できます。

費用

自費診療は、保険が適用されないため、全額自己負担となります。そのため、費用は保険診療と比べて大幅に高くなることがあります。根管治療の費用は、使用する材料や技術によって異なりますが、通常10万円以上になることもあります。しかし、費用が高くなる分、治療の質や仕上がりが向上し、再発のリスクを減らせる点も大きな魅力です。

3. 保険診療と自費診療の選び方

根管治療において、保険診療と自費診療のどちらを選ぶべきかは、患者様のご要望やライフスタイルによって異なります。費用を抑えたい場合や、日常的に目立たない奥歯の治療では保険診療でも十分かもしれません。しかし、前歯など見た目が重要な箇所や、より精度の高い治療を希望する場合には自費診療を選択することが推奨されます。

まとめ

根管治療における保険診療と自費診療の違いは、使用する材料、技術、費用に大きく影響します。患者様それぞれのニーズやご予算に応じて、最適な治療法を選んでいただけるよう、当院では丁寧にご相談に応じています。根管治療でお悩みの方は、ぜひ一度、あづみのうえはらおとなこども歯科医院までお気軽にご相談ください。