インプラントって本当に噛めるの?
こんにちは、あづみのうえはらおとなこども歯科医院の院長、上原龍一です。
「歯を失ってしまったけど、インプラントならしっかり噛めるって本当?」 「入れ歯よりも違和感が少ないと聞いたけど、実際のところどうなの?」
インプラント治療を考えている患者さんから、よくこのような質問を受けます。結論から言うと、インプラントは天然の歯に近い感覚で噛める優れた治療法です。しかし、すべての方にとって最適な治療とは限りませんし、適切なケアをしないと長持ちしないこともあります。
今回は、インプラントの噛む力や使い心地について詳しく解説し、本当に噛めるのかを一緒に考えていきましょう。
インプラントとは?
インプラントとは、顎の骨にチタン製の人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療です。歯を失った部分に新しい歯を固定するため、入れ歯のように取り外す必要がなく、ブリッジのように隣の健康な歯を削ることもありません。
インプラントの構造は以下の3つの部分から成り立っています。
- インプラント体(人工歯根):顎の骨に埋め込むチタン製のネジのような構造物
- アバットメント:インプラント体と人工の歯(上部構造)をつなぐ中間部分
- 上部構造(人工歯):実際に目に見える歯の部分
インプラントの噛む力はどのくらい?
結論から言うと、インプラントは天然歯とほぼ同じくらいの噛む力を発揮できます。
天然歯との比較
- 天然歯の噛む力:およそ50〜80kg
- インプラントの噛む力:およそ40〜70kg(個人差あり)
- 入れ歯の噛む力:およそ5〜10kg
入れ歯では、天然歯の約1/5〜1/10程度の力しか出せないのに対し、インプラントは天然歯に近い力で噛むことが可能です。これにより、硬いものでもしっかり噛めるようになります。
インプラントのメリット
- しっかり噛める
入れ歯と違って顎の骨と直接結合するため、ガタつきがなく、硬いものでもしっかり噛めます。例えば、おせんべいやステーキのようなものでも安心して食べられます。 - 違和感が少ない
入れ歯は歯茎にのせる構造のため、装着時の違和感が大きいですが、インプラントは顎の骨に直接固定されるため違和感がほとんどありません。 - 見た目が自然
人工歯はセラミックなどの天然歯に近い素材を使用するため、審美性が高く、見た目がとても自然です。 - 周囲の歯に負担をかけない
ブリッジ治療では両隣の健康な歯を削る必要がありますが、インプラントは単独で機能するため、周囲の歯に負担をかけません。
インプラントのデメリット
インプラントにも注意点があります。
- 手術が必要
インプラントは外科手術を伴う治療です。顎の骨にインプラント体を埋め込む手術が必要となるため、健康状態や骨の状態によっては適応できないこともあります。 - 治療期間が長い
インプラントが顎の骨と結合するまでに3〜6ヶ月かかるため、治療が完了するまでに半年以上かかることもあります。 - 費用が高い
インプラントは保険適用外のため、1本あたり30〜50万円程度の費用がかかることが一般的です。 - 定期的なメンテナンスが必要
インプラントは虫歯にはなりませんが、「インプラント周囲炎」と呼ばれる歯周病のような炎症を起こすことがあります。長く使うためには、毎日のケアと定期的な歯科検診が不可欠です。
インプラントが向いている人・向いていない人
インプラントが向いている人
- しっかり噛みたい人
- 入れ歯の違和感が気になる人
- 見た目を重視する人
- 口腔ケアをしっかりできる人
インプラントが向いていない人
- 骨の量が不足している人(骨造成が必要)
- 糖尿病や重度の歯周病がある人
- 喫煙習慣がある人(インプラントの成功率が下がる)
まとめ:インプラントは本当に噛める!
インプラントは天然歯に近い噛む力を持ち、違和感が少なく、見た目も自然な治療法です。 しっかりとしたメンテナンスを行うことで、10年以上快適に使うことも可能です。
ただし、手術が必要で治療期間が長く、費用も高いというデメリットもあります。インプラントが最適な治療かどうかは、患者さん一人ひとりの口腔状態やライフスタイルに応じて異なります。
当院では、インプラント相談を随時受け付けております。 「インプラントに興味があるけど、不安がある」という方も、ぜひお気軽にご相談ください。あなたに最適な治療方法を一緒に考えていきましょう!